新規事業の成功確率


いろんな説があるけど、よく聞く数字として「起業の成功率」は10%だといいます。

新しくできた会社は1年以内に半数以上が倒産し、5年以内に80%が消え、10年以内には95%が無くなるという信頼できるデータもあるので、成功率10%というのはそんなに間違った数字ではないでしょう。

では、この10%という数字は高いのか低いのか。

10%だったら私はとても高いと思います。

例えばプロのスポーツ選手になる確率やアイドル歌手になれる確率から比べたら比較にならないほど確率が高いだろうし、サラリーマンとしての成功と比べても、受験競争に勝ち、良い会社に就職し、さらに出世して役員になる確率は、高度成長時代はともかく、今は確実に10%もないだろう。大企業の役員といわなくても、どこかの企業の部長とか課長になれる人が全就業人口の10人に一人いるかどうか怪しい。

さらに言えば、10%の成功率という数字は一般的な確率論とは違います。

未来への投資

失敗を何度か繰り返せば、成功の確率は飛躍的に上がります。世の中には一回失敗したら諦めてしまう人も大勢います。諦めずに続けることができれば、それだけで有利です。アメリカのベンチャー投資家が投資相手の経歴として重要視するのが、事業に一度でも失敗したかどうか。失敗を経験した人のほうが投資の成功確率は高いそうです。

知識や経験が成功率を高めてくれるのです。

成功率10%といえば、私の得意分野である株式投資の世界でも、儲けられる人は10人に一人と言われています。

これは大抵の人が株式投資の必要な知識を勉強せず、株式ブームに 乗って証券マンに勧められた銘柄を買ったり、人気銘柄を何も考えずに買うからで、株式投資の知識をきちんと得て取り組めば、成功率はぐっと高 まります(必勝は無理だが少なくとも50%以上は勝てると断言できます。)

ただし株式投資というのは競争相手とのゼロサムの勝敗ゲームなので、勝つか負けるかの世界で結構厳しい。勝つためには相手を打ちのめす必要があります。

その点、事業経営は(もちろんコンペティター(競合他社)はいますが)、事業の相手は「顧客」であり、顧客を喜ばすことができればたいてい結果はついてきます。

つまり「けっこう簡単」だということ。

もちろん最大限に考えて努力を惜しまないことは必要ですが、生まれつきの才能とか頭脳や、競争相手を打ちのめす執念が必要条件というわけではありません。

また仮に何度か事業に失敗しても、今の日本で路頭に迷ったり飢え死にすることはまずないでしょう。

日本は世界第三位の経済大国であり社会保障も整っています。選ばなければ仕事はたくさんあるので、ほとんどの人は就業する道を選択し、自分で事業を起こそうとは思いません(つまりライバルが少ない)。国民はなんだかんだいってみんなお金持ちです(つまり、お金を払ってくれる顧客はたくさんいる)

起業にこれだけ恵まれた環境の国は滅多にないと思いませんか?

ここまで書くと、信じやすい人は

「私でも成功できるかも」

「やってみようかな」

とか思った人が何人かいるはず。

たぶん、10人に一人くらいは。

しかし、そう思った人の中から、実際にやる人はさらに100人に一人くらいでしょう。

その時点であなたは10人の中の人の、さらに100人の中の一人。

つまり0.1%の確率を抜け出し、チャンスの土俵に立つことができたというわけです。

ライバルに成るかもしれなかった1000人の人々は、土俵にさえ上がってこないのです