イーサネットとエーテル

2018/01/19


IT関係の人には結構有名な話かもしれませんが、私の大好きな話に「イーサネット」と「エーテル」の話があります。

「イーサネット(Ethernet)」はご存知のように、コンピュータの世界では無くてはならない通信技術です。みなさんが自宅や学校、会社でパソコンにつなぐLANケーブルというものがありますが、あのケーブルがまさに「イーサネット」で通信をおこなうためのケーブルです。

未来への投資

この「イーサネット」という言葉の語源が「エーテル((Ether)」だといわれています。

それでは「エーテル」とは何でしょう。

「エーテル」はある物質に付けられた名称ですが、実はこの物質、この世に存在しないことが実証されています。
しかし、20世紀初頭まで、科学者は皆「エーテル」の存在を信じていました。

かつて科学者たちの疑問は「光」がどのように空間を伝播するのか、その謎に悩んでいました。
音は空気という媒体を通じて空間を伝播する。

光も音と同じように「波」と考えられていましたが、その波である「光」を空間に伝搬させる媒体は何か?

科学者たちは、空間には目には見えない”ある物質”が充満していて、その物質が光を運ぶと考えました。この物質こそが「エーテル」であり、エーテルは宇宙空間の”いたるところに存在する”と考えられていたようです。

しかし20世紀になり、アインシュタインが相対性理論を発見するひとつのきっかけになった有名な実験(マイケルソン・モーリーの実験)により、エーテルの存在は疑問視され、アインシュタインの相対性理論によって「エーテル」は完全に否定されます。

未来への投資

時はめぐって1970年代、シリコンバレーにあるゼロックス パロアルト研究所。

現在のコンピュータやネットワークの極めて重要な技術が数多く生まれた場所ですが、ここで次世代のネットワーク技術が誕生します。

発明者はこの技術を「イーサネット(Ethernet)」と名付けました。

「どこにでも、あらゆるところに存在し、情報を伝える媒介になるもの」と願って付けた名称だといいます。お分かりでしょうがその語源は「エーテル((Ether)」です。

物理学の世界では存在し得なかった「光」を伝搬する幻の物質「エーテル」
21世紀の今、「イーサネット」は世界中に存在し、情報を伝播し続けています。

イーサネットとエーテル