2万5000年の荒野


地震による福島第一原発のニュースが連日報道されていますが、対応に追われている東京電力のみなさんには正直いって同情します。

未来への投資

もちろん経営母体として彼らの責任は大きいと思う。しかし、まるで彼らを犯罪人のように攻め立てる報道陣を見ていると腹が立ってくる。原発を作った以上、想定外の災害が起きれば”とんでもないことになる”のは仕方ない。極論かもしれませんが、もし隕石がアメリカの核兵器基地を直撃して、その反動で世界中の核兵器が連鎖的に発射される可能性だってゼロではないでしょう。原子力とはそういう性格のものであり、それを発明し、その恩恵を受けている世界に住んでいる以上、誰にも責任はあると思います。

ところで一日中原発のニュースが流れていますが、結局何が怖いのかいまいち分からない人も多いのではないでしょうか?

私も全然詳しいわけではないけど、一応いろいろと調べてみて原発事故の怖さや影響などを簡単に整理してみました。

・原子力発電所は、核燃料(ウランとかプルトニウム)が核分裂反応して発生する熱で水を沸騰させ、その水蒸気でタービンをまわして電力を生み出す。

・熱エネルギーを生み出す基本的な原理は原子爆弾など核兵器と同じ(核分裂)

・原子力発電所の運営で最も重要なことは核燃料の分裂反応や温度を正しくコントロールすることである。核分裂反応や温度を制御できるということが原子力発電と核兵器の大きな違いである。

・ニュースで連日出ている制御棒とか冷却装置などは、核燃料の核分裂や温度をコントロールするための重要な装置である。これらの装置が破壊されたり故障すると、原子炉内の核反応が制御できなくなり、核燃料の温度がどんどん高くなる事態を招く。

・原子炉内の核燃料が高温になり、溶け出す状態を「メルトダウン(炉心溶融)」という。

・メルトダウンは最悪、燃料を格納している原子炉を破壊し、大爆発するなどで周囲に放射性物質を大量に放出する。

・放射性物資は人体にとって有害な放射能を出すため、一定量を浴びると死につながったり、癌や白血病など様々な病気の原因となる。また直接放射能を浴びなくても、放射性物質が肌に付着したり吸い込んだりすることで体内に蓄積され、長期間放射能の影響を受ける。

・放射性物資が崩壊して害がなくなる期間は物質の種類によって期間が違う。この期間を「半減期」といい、短いものは数分から数日、長いものでは数千万年から数億年というものもある。

・原発事故で問題になる放射性物質の代表的なものでは、セシウム137という物質が約30年。つまりセシウム137のような放射性物質が大量に放出されると、最悪その周辺の地域に30年前後は住めなくなる可能性がある(チェルノブイリが代表的な例)。

・危険地帯は周囲数十キロにもおよび、仮にもっと広範囲に危険地域が拡大すれば、首都圏を含む地域で長期間人が住めなくなる可能性だってゼロではない。

ゴルゴ13に「2万5千年の荒野」という話があります。

未来への投資

ロサンゼルスの原子力発電所が事故でメルトダウンの危機に陥り、ゴルゴ13が絶望的な状況の中、原子炉の弁をライフルで撃ちぬいて熱を逃すことに成功し、最悪を逃れるというストーリーです。

この話のタイトルは、原子炉から排出されるプルトニウム239の半減期が2万4000年であることに由来しています。もしもプルトニウムが大量に放出されると、その周辺は2万5000年もの間、生物が住めないの荒野になる。

読んだ当時は、「上手いタイトルつけるもんだ」と思ってましたが、冗談でも、人ごとでもなくなってきました。

不休不眠で頑張っている東電の皆様、そして政府の方々にはなんとか頑張って支えてくださいと、何もできない自分は祈るばかりです。