お客様は神様です


未来への投資

「お客様は神様です」というとすぐに思い浮かぶのが三波春夫さんですが、かつて日本のビジネス(商売)でも金言のように使われた言葉です。

顧客第一主義。徹底した顧客視点。
これは現在のビジネスでも基本中の基本とされています。しかし『お客様は神様です』という考え方がそのまま通用するかどうかは、少し考えたほうがいいでしょう。

「お客様は神様」に一見似ているようで、実はかけ離れた考え方としてお客様は王様があります。両者は似て非なるもの、全く違います。

では神様と王様の違いは何でしょう。

・神様は大抵の場合高い能力を持っているが、王様は必ずしもそうではない。
・神様は大抵の場合人格者であるが、王様は必ずしもそうではない。

王様だからといって、高い能力や人格を求めてはいけません。神様と違って王様の素質は千差万別なんです。でもひとつだけ言えるのは、どんな王様であっても、王様は基本的に偉い(権力者)だということです。だから逆らってはいけません。正論でぶち当たっても無視されるか最悪の場合はギロチンにかけられるでしょう。

お客様は王様。
ひとつ例を上げます。

あなたが素晴らしい理念と画期的なテクノロジーを搭載したウェブサービスを開発したとします。

それが本当に素晴らしいサービスであれば、神様なら誰もが評価してくれるでしょう。神様には良いものとそうでないものを正しく見分ける能力があります。

しかし王様は違います。王様はワガママでせっかちなんです。
王様の中には、あなたのウェブサービスの最初の入り口である「ログイン」ボタンを見つけられず、「こんなサービスは使えん、駄目だ」と投げ出す場合もあるでしょう。

あなたが必死に、「ログインボタンはこんなに分かりやすいところに置いているじゃありませんか!」「とにかくログインして使ってください。真価はサービスの中身にあるんです」とか反論しても、王様からは一言「ええい面倒くさい!」と一括されて終わりです。

でも悪いのは王様ではなく、ユーザーを王様だと思ってサービス設計しなかった、あなたに責任の多くがあります。

なんとも辛い話ですが、皆さんも実際にこんな経験や思いをしたことはありませんか?

あなたが提供するサービスの顧客は「神様」なのか、あるいは「王様」なのか。
これはサービスを考える上で、ひとつの重要なポイントだと思うのですが、いかがでしょうか。