学問のすすめ



「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」

この有名な言葉で始まる福沢諭吉の「学問のすすめ」は明治初期に発売された本です。
なんと300万部以上も売れ、当時の日本の人口を考えると10人に一人以上が読んだ計算になります。

明治以降、日本が世界の列強に肩を並べ、やがて不幸な太平洋戦争後も驚異的な経済成長を実現できたのも、「学問のすすめ」に感銘し、奮闘した明治の人々の遺産だという。この本を読んで日本人は勉学に励み、世界と渡り合っていったわけです。

蘭子教授の講義にも書いているけど、「なぜ勉強しないといけないのか」を理解するために、まだ読んでない方はぜひこの本をお勧めします。今の時代、いや今だからこそ「学問のすすめ」は全ての人に読んで欲しい永遠の名著です。

多くの方が誤解しているのは、この本が「人は平等であり、人はみな自由だ」ということを書いていると思っている。しかし福沢諭吉はこの本の中で「人は平等ではない、誰もが自由でもない」と明言している。そしてその理由が「学問」にあると説いています。

昔から多くの親は子どもに「勉強しないといい大学に入れず、いい会社に入れませんよ!」と説くが、それはある意味正しいが、訴え方が弱いと思う。

「社会は平等ではありません。社会では幸せな人もいればそうでない人もたくさんいます。そんな社会であなたが有利に生きる為には知識や技能がとても重要です。だから将来もし幸せになりたかったら、いまのうちに勉強をしておきなさい。」

程度のことは言わないと、子供も馬鹿ではないのできちんと理解しないと思う。

尚、最後に簡単であるが「学問のすすめ」に書かれている内容のポイントを簡単にご紹介しておきます。

・天は人を平等に作ったというが、世間では貧富の差や身分の差、尊敬される人そうでない人がいて、明らかに人は平等でないのが現実である。それは一体何故か?

・それは学問をしたか、しないかの差である。

・学問をした人は周りから尊敬され、偉くなり、社会に貢献し、富を得ることができる。学問をしない人とは、どんどん差がついていく。

・自由も人が天から与えられた平等の権利である。しかし自由の意味を履き違えてはいけない。

・自由という権利を行使するには、責任を果たすことが条件になる。責任を忘れた自由は単なるわがままである。

・責任とは、家族や周りに対する責任、社会に対する責任。簡単にいえば周りに迷惑をかけず、幸せを与えるということ。

・それでは、自由とは何か?それは独り立ち(独立)するということに他ならない。

・独立心のない人は、まわりに依存し、かなわない望みに不平不満を言い、うまくいかないことを常に人の責任にする。そういった行動はやがて人格となり、その人から自由や平等を奪っていく。

・独立とは、自分の行動に責任を持ち、自らの意思で考え、正しいと思う行動を選択できるということである。

・では、人が独立するには何が必要なのか?

・自己の独立を実現するために、学問が必要なのだ。

・では、学問の本質とは何か?

・学問とは、単に教科書を読むとか知識を得ることではなく、得た知識を実際の現場で使って経験をしていくこと。知識の応用と経験。それこそが学問である。

・学問で大事なのは、学問によって自己の見識を高めていくことである。知識を習得し、観察し、推論し、物事の道理を深く考え、他人の意見に左右されない自分の考えを持つことが求められる。

・見識を深めれば、数多くの情報から大事な情報、疑わしい情報を見分けられるようになる。見識が低いと判断力に乏しくなり、人の意見に左右されたり、他人の目が気になって仕方なくなる。人を妬んだり蔑んだりするのは、その人の見識が低いからである。

・人が自分自身を高め、不満のない人生を送るには見識のある独立者になることがなにより重要。

・それでは独立者の責任とは何か?それは社会貢献である。自分の幸せ、富のためだけでなく、社会全体の利益に貢献するために働く。それこそが独立者の義務であり責任である。

学問のすすめ