ソニーの盛田昭夫さんが世界的スター経営者だった件


盛田昭夫

若い世代の方にはピンとこない話かもしれませんが、ソニーの共同創業者である盛田昭夫さんは、かつて間違いなく世界を代表するスター経営者でした。おそらく今でも、日本を代表する経営者の人気投票をすると、ソフトバンク孫さんでもなくユニクロ柳井さんでもなく、盛田昭夫さんがダントツで一番になるのではないでしょうか。

アップルの故スティーブ・ジョブズも盛田氏を深く尊敬していたと聞きます。
アップルが展開した企業広告「Think Different」でも、ジョブズの強い押しがあって日本人から彼の肖像画が選ばれたそうです。(日本人で選ばれたのは3名で、あとの二人は黒澤明氏と手塚治虫氏)

未来への投資

この動画は「ドゥユーノーミー?」で有名なアメリカン・エクスプレスのCMです。
当時のCMで盛田氏は日本人として唯一選ばれて出演しました。

そんな盛田氏の数ある功績や逸話の中で、私が好きなものを幾つか紹介します。

「ウォークマンを成功させた」
社内の誰もが「録音できないテープレコーダーは絶対売れない」と断言したウォークマンを商品化。その商品名をめぐる議論でも、英語圏を含む世界各国で必ずしも文法的に正しくなかった「WALKMAN(ウォークマン)」という名称を、現地法人の反対を押し切って社長命令として商品名を「WALKMAN」に統一させたといいます。結果的に「WALKMAN」は世界中で携帯音楽プレイヤーの代名詞になりました。

 

「ソニーブランドを守った」
まだソニーが全く無名だった時代、発売したばかりのトランジスタラジオをアメリカで営業していた頃。アメリカの老舗メーカーが10万台の注文を出す代わりに、ブランドはソニーでなく、その会社のブランドで売り出したいという条件を出した。「ソニー」で出しても絶対売れないというのがその理由だった。盛田氏は悩んだあげくにこう言って断ります。
「ソニーは生まれたばかりの会社で、私はいまソニーという名前を世界中に知ってもらうために活動しているのです。あなたの会社も50年前は無名だったでしょう。約束します、50年後ソニーは必ずあなたの会社より有名になっていますよ。」

 

「CDプレイヤーを普及させた」
ソニーがはじめてCDをプレイヤーを開発したとき、製造コストから計算して5万円以上で販売しないと利益が出ない状態だった。しかし盛田氏は「いくら良い製品でも5万円以上では金持ちの嗜好品に終わって世間に普及しない。一般のオーディオマニアが出せる金額は3万円台だ。だから3万円台で売りだそう」といって社内の大反対を押し切って発売した。当時の常識ではコンシューマ向け製品でコストを割った価格で売り出すのはあり得ない選択だった。しかし結果的には盛田氏が言ったとおりCDプレイヤーは大ヒットし、量産効果でコストが下がり利益を出すようになった。

 

スティーブ・ジョブズ氏が亡くなってから、彼の名声を称える声は尽きませんが、かつて日本にもジョブズに匹敵する素晴らしい経営者がいたことを、日本人である私は誇りに思います。