仮想通貨をめぐる2つの世界

2018/01/19


2006年にベストセラーとなった「ウェブ進化論」の中で、著者の梅田望夫さんは、ネット社会における「こちら側の世界」と「あちら側の世界」について述べました

ウェブ進化論

「こちら側の世界」とは現実社会をベースにして、ITやネットはあくまでツールと捉える世界。「あちら側の世界」とはネット空間こそ新しい世界であり秩序だと考える人々。

2つの世界の住人はテクノロジーに対する捉え方や価値観が正反対で、「こちら側の世界」の住人は「あちら側の世界」を絶対理解できないだろうとウェブ進化論は結論付けました。

本が出版された2006年当時、一番ホットなテーマは

「ブログやSNSなどで個人が発信する情報は価値があるのか?」

「こちら側の世界」の住民は新聞社やテレビ局など企業が保証しない情報は信用できないと主張し、「あちら側の世界」の住人は企業や国家のフィルターがかかった情報より、口コミのほうが信用できると反論。この問題は昨今の医療情報などでも再燃しています。

そして現在、2つの

世界の対立は、仮想通貨の世界でも起きています。

 

ビットコイン

「こちら側の世界」の住人は仮想通貨を何か新しいツールと考えるので、国家の保証や価値の根拠がないような通貨はツー

ルとして失格、使えない、バブルだと結論付けます。

一方「あちら側の世界」の住人は、自分たちが住むインターネットの世界に最もふさわしい通貨が生まれたと熱狂しています。中央集権でない、どこかの国が管理も保証しないというのは「あちら側の世界」の住人にとって最も受け入れやすい概念であって、そもそもインターネット自体がそういう世界です。

どちらの言い分も正しいし、どちらも間違っていないと思いますし、住んでいる世界が違うとしかいいようがありません。

この対立は

、今後AI(人工知能)の世界でも起こりつつあります。

「こちら側の世界」の住人は人工知能はあくまで人間が管理するツールであり、うまく使えば脅威ではないと考えています。
「あちら側の世界」に住む人間はシンギュラリティなどの言葉に代表されるように、人工知能によって世の中が全く変わってしまうと予想しています。

僕は「こちら側の世界」も「あちら側の世界」も否定しませんが、ひとつ確実に言えるのは、過去20年は「あちら側の世界」へのコミットメントと投資が圧倒的にパフォーマンスがよかったということです。これからの未来は果たしてどうなるのか、非常に楽しみです。