敵は分断して統治すべし

2018/01/19


 

「敵は分断して統治せよ

これは支配者が世の中を統治し易くするため、支配される側の結束を分断して反乱などを未然に防ぐための鉄則であり、古くはローマ帝国の時代から用いられてきた手法です。

下の地図は京都市にある東本願寺と西本願寺の場所を示したものですが、別に土地のスペースの関係で建物が東西に分かれているわけじゃあありません。

東本願寺と西本願寺というのは、敵対関係なんです。

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本願寺が東西に別れたのは徳川家康の時代。
戦国時代、仏教徒は戦国大名にとってもっとも厄介な敵対勢力で、中でもその代表格である本願寺は石山(後の大阪城)に本拠地を置いて何年も織田信長に対抗し、結局は信長でさえ本願寺を攻め滅ぼすことはできず、最後は和解になったほどその勢力は絶大でした。

幕府を開いた徳川家康は、本願寺の内紛につけこんで東西に分断し、お互いに憎みあわせることで勢力を内部に向け、その結果、本願寺の勢力は弱まっていきます。

「仲が悪いんなら、もっと場所を離せばいいじゃないか」という意見はごもっとも。しかし近いほうがより敵対心が高まるのも皮肉な真理です。

これと同じようなことは古今東西を問わず、世界中で起きています。
最も代表的な例は、第二次世界大戦後の東西冷戦。敗戦国や弱小国は資本主義陣営と社会主義陣営に分断される国が多かったんですが、これは資本主義国家と社会主義国家のイデオロギーの違いによる勢力争いというだけでなく、支配する国を分断することで、第二次大戦の戦勝国が、敗戦国や発展途上国を統治しやすくする意味がありました。

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このような分断統治は国レベルに限らず、企業内の権力闘争でもしばしば用いられる戦術です。「敵の敵は味方」という言葉があります。どうみても敵同士にしか見えない二人が仲良くしているとき、その二人にはまず倒さなければいけない共通の敵がいると考えたらよいでしょう。もちろん倒すべき共通の敵を倒したら、次は残った二人の争いが待っています。

つまり、この方法は覚えておいても損はないけど、実践することはお薦めしません。最後に自分が勝ち残って統治者になるまで延々と戦いは続くし、ひとたび相手が団結すると、今度は自分が敗れる番です。

分断した相手が団結すると、統治は一瞬にして崩壊します。

ベルリンの壁だってわずか一晩で崩壊したんだから。