人類の敵

2018/01/19


毎年のことだけど、インフルエンザが流行しています。

未来への投資

一応、医療分野に少し関係する仕事をしているので、今回はメディカルな話をします。

インフルエンザをはじめとするウィルスの多くは、遺伝子がRNA(リボ核酸)で出来ています。一方、理科の授業で習ったように、私たち哺乳類の遺伝子はDNA(デオキシリボ核酸)です。

地球上に初めて誕生した生命体というのはRNAが遺伝子で、それらRNA生命体が地球を支配していた時期を「RNAワールド」と呼びます。RNAというのは遺伝子情報が変化しやすい性質を持っていて、変化しやすい(進化しやすい)という利点を持つ一方、変化した情報を子孫に正しく残すことができない性質を持ちます。(つまり進化しやすいが退化もしやすい)

一方、DNA生物はRNA生物にくらべて遺伝子情報が変化しにくい性質を持ちます。進化には時間がかかるけど、進化した情報を確実に子孫に伝えることができます。その結果、地球上ではDNAを遺伝子とするDNA生物が発展をとげ、地球を支配するようになりました。「RNAワールド」から「DNAワールド」への移行です。私たち人類は「DNAワールド」の頂点に立つ生物と考えることができます。

しかしRNA生物が地球の支配を諦めたわけではありません。「RNAワールド」の生き残りであるウイルス達が「DNAワールド」の支配者である人類の滅亡を狙って、日夜挑戦してきているんです。彼らRNA生物の武器である”遺伝子情報が変化しやすい”という性質を使い、常に姿を変えながら人類の生命を脅かします。

インフルエンザウィルスは毎年、その形を変えて猛威を振るう。ひとたびワクチンのない新型が流行すれば人類滅亡の可能性だってあるでしょう。

もうひとつ、厄介なウィルスであるエイズウィルスは最もワクチンの作りにくいRNA生物のひとつです。エイズウィルスは忍者のように素早く遺伝子情報を変化させるため、万能なワクチンを開発することは難しいと言われています。

HIV

しかもエイズウィルスは、人類の繁殖行為そのものにアプローチするんです。
避妊具をつければ安全かもしれませんが、避妊具をつけて繁殖行為を行っても子孫は残せませんよね。
実に巧妙な戦略だと思いませんか?

RNA生物が我々DNA生物を滅ぼし、再びこの地球を支配する日がけっして来ないと、一体誰が言い切れるでしょう?